札幌市中心部から定山渓温泉へ向かう途中、ちょっと寄り道してみませんか?

4万年前の火山が生んだ「元採石場」をご紹介します。1996年に「石山緑地」として開園したこの憩いの場では、自然と歴史、そして北海道の彫刻家集団「CINQ(サンク)」と行政の協働により建設された“ランドアート”に触れることができます。

まずはコチラ。木漏れ日を浴びる白樺のすぐ横に、ゴツゴツと尖った大きな岩がそびえ立っています。
これは北海道遺産に選定された「札幌軟石(なんせき)」。ルーツは約4万年前に起きた「支笏(しこつ)火山」の大爆発です。北海道の歴史上でも最大級のもので、そのとき流れ出た凄まじい量の火砕流(火山灰や軽石)が現在の札幌市南区のあたりにまで押し寄せ、自らの熱と重みでギュッと焼き固まってできたもの。噴火口(現在の支笏湖)の中心から石山緑地あたりまでは、直線距離で約24キロメートルも離れているということから、自然の圧倒的なエネルギーを感じますね。

散策路ではこういった軟石の岩を近くで見ることができ、よくある岩肌とは違う、ざらっとした質感がリアルに伝わり迫力があります。
こちらの南ブロックは、かつての採石場跡をそのまま活かしたダイナミックなアート空間。一歩足を踏み入れると、切り立った巨大な岩肌が目の前に広がり、足元にはまるで古代遺跡のような独特の雰囲気のランドアートが広がります。

一番の見どころは、すり鉢状にカッティングされた「ネガティブ・マウンド」と呼ばれる円形広場です。周囲を高い石の壁に囲まれており、中央に立つと周囲の音が遮断され、自分の声が不思議に響く独特の静寂を体験できます。
※注意:エリア内は段差が大きく、滑りやすい場所もあるため、スニーカーなど歩きやすい靴で行くのが安心です。

直線的で硬質な札幌軟石のアートと、周囲の自然が織りなすコントラストが特徴で、どこを切り取っても非常に写真映えするエリアです。
北海道の開拓が始まったばかりの明治初期、この採石場から切り出された札幌軟石は、優れた耐火性と断熱性があり、そして圧倒的に柔らかく、重機がない時代でもノコギリやクワで切り出せる「建材」として爆発的に普及しました。今も札幌やその周辺に残る、レトロで美しい建物の多くに札幌軟石が使われています。(写真は「ぽすとかん」※旧石山郵便局)
ダイナミックな景観から一転、散策路に入ると美しい自然に包まれます。
春から夏には、生き生きとした眩しいほどの緑と、切り出された札幌軟石の落ち着いたグレーとのコントラストが本当に綺麗です。木々の間を吹き抜ける風がとても涼しく、歩いているだけで心地よいマイナスイオンをたっぷり感じられます。

公園内に点在するベンチに座って、木漏れ日の中でただのんびりと緑を眺めるだけでも、最高のデトックスに。定山渓へ行くなら、ぜひ立ち寄ってほしいお気に入りの場所です。

【スポット情報】
所在地: 札幌市南区石山78-24外

駐車台数: 46台/3ヶ所(20台、18台、8台)

利用時間: 7:00 ~ 21:00(夜間閉鎖)

冬期閉鎖: 管理の都合により、11月下旬~翌年4月中旬まで駐車場は閉鎖されます。