先日、伯州綿を使ったコースター作りのワークショップを体験したのですが、当日は経糸(たていと)を切らずに体験者全員の作品を残す必要があったので、後日カットされたものを取りに行ってきました。

仕上げとして両端の糸を房にして結ぶ作業が残っています。不器用なので見本を見せていただこうと思い工房の中にお邪魔したのですが、皆さんの日頃の活動風景を拝見したりいろいろなお話も伺いました。
薄いピンクの糸は捨て糸なのでカットして取り除き、経糸(たていと)を10本ずつくらい束にして結びます。机の上に滑りにくくするために布などを敷き、重石になるものを置いて進めるとよいと聞きました。

和櫛でとかして目打ちで分けていきます。そして、結ぶときは一気に最後まで締めずに確認してからキュッと絞るとのこと。
素早いのに丁寧できれいな手さばきはさすが熟練の技。見ていると簡単そうなのですが、実際やってみると細い糸に翻弄されるばかりで難しい。^^;
奥の部屋ではまだ通い始めて間もない方々が経糸を張る作業をされていました。
手織り工房 藍慈彩(あじさい)では、一人一人が自分の作りたいものや使いたい糸を選んで作品を作るそうです。

この経糸(たていと)を張る作業が最重要ポイントの1つだそうです!
横糸は後からでもある程度は調整ができるのですが、経糸は最初の出来がそのまま作品の出来に影響するそうで、ここがグダグダに緩んでしまうと良い作品にはならないそうです。
見ているだけで大変そうでしたが、そばで講師の方が丁寧に指導されているので安心です。
横糸には、藍染めの糸以外にも自分のお好みの糸が使えます。
例えば、マフラーには明るい色の毛糸や麻糸、ヤーン糸など、自由に選べるので世界で1つしかないオリジナル作品ができそうです。
初めのうちは完成が早い小物から始めるのも良さそうですね。
次回の展示会用の織物も見せていただきました。
左上が地元の境水道大橋と船、その下が冬に羽を膨らませた雀を描いた「ふくら雀」、右が「麻の葉」模様です。
そして、その下には菱文様(ひしもんよう)。
昔から伝わる文様も素敵ですが、まるで絵を描くように好きな図柄にできるのも魅力的です。
長く愛用するものに仕立てれば良い思い出や記念品になって、プレゼントにすればより強い愛情を伝えられるでしょうね。

さらに下にあるカラフルなマフラーは、伯州綿をベンガラ染めにして織ったものです。
ベンガラ染めは土の中の酸化鉄を利用した染めで、少量の水で揉みこむだけなので、人にも環境にも優しい染め法といわれています。
今回は14色のマフラーが出品されるそうです。
ここの工房は会員制で火曜日と水曜日が活動日です。各自好きな時間に来て好きなだけ作業ができるそうです。自分の織り機があるなんて素敵です!^^

弓浜絣復活に尽力された島田悦子(しまだえつこ)さんから直接指導を受けられた大西さんを始め、技術力のある頼もしい先輩方が丁寧に教えてくださいます。

初心者でも気軽に参加できそうな親しみやすい雰囲気で、大西さんによると「来る者は拒まず去る者は追わず」だそうなので、試しに短期間だけ通ってみるのもおすすめです。
そして、完成しました!^^V
手織り工房 藍慈彩(あじさい)
住所:境港市上道町3492-1

◆作品展&展示即売会開催予定◆
\\手染めマフラー、バッグ、小物など購入できます//
会場:海と暮らしの資料館 展示室(入場無料)
・住所:境港市町8-1
・電話:0859-44-2000
・日時
2025年11月1日(土)10:00~16:30、11月2日(日)10:00~16:00