小郡市にある「横隈観音 清影山 如意輪寺」。ここに眠る“如意輪観音”は願いを叶え、煩悩を打ち砕くと言われています。その姿は通常は見られませんが、12年一度、巳年に拝観できるそう。立った姿でつくられた如意輪観音は、全国的にも珍しいのだとか。そして行基が開基したというこちらのお寺、通称“かえる寺”とも呼ばれています。
車を停め、お寺へと続く細道にもカエルがずらり。もとは住職が中国を訪れ、カエルの置き物を持ち帰ったことから、だんだんと増えていき…かえる寺と呼ばれるほど認知が広がっていきました。
入口の案内板前には、カラフルな球体のカエルの置き物。ペンが置いてあり、自由に書きこんでよいとのこと。すでに文字でびっしりと埋まっていたので、隙間をなんとか見つけて簡潔に…「平和と元気」と書き込みました。
見上げると…風とともに、風鈴が揺れて音色が響き渡ります。願い事が書かれているので、ところどころモザイク。夏限定の景色はやはり目に焼き付けたくなります。願いをかなえる寺、と言われていることもあり、前向きな明るいお願いがたくさん記されていました。色もそれぞれ、綺麗。風鈴のガラス部分にはカエルの絵があります。
カエルのお地蔵さんもお行儀よく並んでいて、可愛らしい。お寺内には約1万体のカエルの置き物があるんだとか!大きく目立つものもあれば、控えめに馴染んでいるものもあり、それぞれ表情があって見ていると和みます。
カエルの口の中をくぐると、ご利益があるそう。“かえる”には、「悪いことを良いほうに帰る」という意味もあるそうで、例えば元気がかえる、笑顔がかえる…などなど。きがえる、いきかえる。新しい良い状態に持ち直すという捉え方もあります。さすがに大人は入らないので、子どもだけ。
我々も挨拶とお願い事をして、風鈴の音色と景色をゆっくりと堪能しながら散策しました。お寺全体の規模はそこまで大きくはないのですが、高さをうまく活用して階段で区切られていて、木々に囲まれた空間は思ったよりも涼しく、幻想的でした。
【如意輪寺】
場所:福岡県小郡市横隈1728
電話番号:0942‐75‐5294