先日紹介した建勲神社境内には、あの伏見稲荷大社の親神がお祀りされている命婦元宮(みょうぶもとみや)というお社があります。

鎮座している場所は、船岡山東の建勲神社表参道側。
鳥居の向こうに見える朱色の鳥居をくぐり、石段を上った先です。
鳥居の向こうに見える朱色の鳥居をくぐり、石段を上った先です。

石段の先には建勲神社の末社・義照(よしてる)稲荷神社があり、その社の左奥に命婦元宮が鎮座しています。

義照稲荷神社は、秦氏による五穀豊穣織物工芸の稲荷信仰が広められたことを発祥とした神社で、御祭神は
- 伏見稲荷大社の主祭神でもある宇迦御霊大神(うかのみたまのおおかみ)
- 天地創世期に出現する国土安定の神様の国床立大神(くにとこたちのおおかみ)
- 天孫降臨の主人公である瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)
の三柱で、創建は飛鳥時代末期の709年と伝わっています。

義照稲荷神社の左奥にある命婦元宮は、伏見稲荷大社命婦社(白狐社)の親神である船岡山の霊狐がお祀りされています。
伏見稲荷大社 参詣 白狐社 pic.twitter.com/KKx6DkCHAs
— あきちゃん @ゆっくり 前向きに✨ (@akichan0923) 2015年4月7日
伏見稲荷大社がある伏見深草周辺も秦氏の勢力が強かったことから、此の命婦元宮が伏見稲荷大社の前身となったのではないでしょうか。

義照稲荷神社境内には、船岡山西南に鎮座していた船岡稲荷大神がお祀りされているお社のほか、荒木大明神(伏見稲荷大社の荒木神社と関係がありそう)や神様のお名前が刻まれた石碑や磐座が多数お祀りされていて、古くからの霊山であったことがわかります。

義照稲荷神社正面には、鳥居の両端の柱の前後に控え柱と呼ばれる低い柱が配された珍しい両部鳥居(りょうぶとりい)が設けられていています。

両部鳥居は宮島厳島の大鳥居が有名ですが、何か関係があるのでしょうか?
歴史が古いお宮はいろいろな由緒やつながりがあって、それを知るのも寺社巡りの楽しみです。