北鎌倉駅から徒歩約5分の閑静な地にある『東慶寺(とうけいじ)』は、鎌倉幕府の執権・北条貞時が創建した臨済宗円覚寺派の禅寺です。
初代住職を務めたのは、貞時の母である覚山尼(かくざんに)。

自分の意思で離婚することが叶わなかった当時、女性たちはこの尼寺に身を寄せました。『東慶寺』は、多くの女性たちを守る砦のような役割を果たしたのです。

さだまさしさんの楽曲「縁切寺」をご存知でしょうか?
実はその「縁切寺」とは、ここ『東慶寺』のこと!
『東慶寺』は文学にゆかりのある寺でもあり、紀行文、川柳、俳句、短歌、小説・・・など数多の文学作品に登場してきました。

境内には文学碑、墓地には文人の墓がたくさんあります。
境内の階段下には、四賀光子の歌碑が。

流らふる大悲の海によばふこゑ時をへだててなほたしかな」
時を超えて降り注ぐ、覚山尼の慈悲へ向けた賛辞の歌です。
境内は全て撮影禁止なので、ご案内できるのはここまで!
ここから先は、仏様の映し出したような・・・幽玄な空間でした。

「花の寺」とも呼ばれる『東慶寺』は、現在(4月中旬)たんぽぽや黄梅などで明るく彩られています。
本堂をお参りした後、ふと見上げると青紅葉の間から陽光が差し込み、それはもう筆舌に尽くしがたい美しさです。

大きな鐘楼と、宝蔵の中にある売店などもぜひご覧ください。
売店では御朱印をはじめ、庭の草花をイメージしたオリジナル紅茶などを販売しています。