芝寿し保古店で、毎月開催されている人気の「笹寿し体験教室」に参加しました。最初に芝寿しの成り立ちを店員さんが説明してくれたのですが、芝寿しの創業者は、戦後、電機メーカー「東芝」のショールームを経営していました。

まだ各家庭で火をおこし釜を使ってご飯を炊いていた時代。「電気炊飯器」の便利さを伝えるため、店頭で実際にご飯を炊いて見せる実演販売を行いました。

電気炊飯器が売れる一方で、「実演のために毎日大量に炊いたご飯があまってしまう」という問題が起きました。捨てず美味しいお米の活用方法はないかと考えたときに行き着いたのが、お祭りなどのハレの日に各家庭で作っていた「押し寿し」でした。この風習をヒントに、あまったご飯を使ってお寿司を作り、店頭で売り出したところ、これが評判を呼び人気に火がついたそうです。

びっくりしたのが、社名を付けるとき、当時経営していた「東芝」の電気炊飯器で炊いていたから、「東芝寿し」という案が出たそうなのですが、他社の名前を勝手に使うのは良くないということで、芝寿しになったとのことでした。
昔話を聞いてから、さっそく笹寿司を作っていきます。店頭でも販売している昔ながらの木枠を使って、押し寿しを作ります。郷土料理の笹寿司は、笹を広げて直接、寿司飯をのせるようですが、まずは寿し飯を木枠に詰めていきます。
ご飯が詰め終わったら、具をのせていきます。今回の具は、鮭と鯛の2種類。レモンや昆布を乗せていきます。具と具の間にスキマを作り、押した後に切り分けやすく具を並べます。1つの木枠で3個分の笹寿司ができるように配置。
上からぎゅっと体重をかけてしっかり教えていきます。
切り分けた押し寿しを笹に乗せていきます。二枚の笹を十字にして包みます。
まず驚いたのが、笹の葉が思っていた以上に扱いにくかったこと。葉を広げてご飯や具材をのせ、きれいに包もうとするのですが、折る位置や力加減が少し違うだけで綺麗な四角につつめません。
「簡単そうに見えるのに、意外と難しい!」
普段何気なく食べている笹寿しも、実際に自分で作ってみると、一つひとつ丁寧に包まれていることがよく分かります。

それでも、作業を進めていくうちに少しずつ形が整っていくのが楽しく、完成したときには思わず「できた!」とうれしくなりました。

自分で作った笹寿しを目の前にすると、いつも食べている笹寿しとはまた違った特別感があります。作る工程を知ることで、金沢の食文化をより身近に感じられました。

食べるだけでは分からない「作る楽しさ」を体験できるのが、こうした教室の魅力。金沢の名物を味わうだけでなく、自分の手で作ってみることで、新しい発見がありました。