皆さんこんにちは、じぇらです!

これまで、自動車、陶磁器、駄菓子など、名古屋のいろいろな「ものづくり」を紹介してきました。

でも、西区を調べていると、まだまだものづくりはあります。

今回登場するのは……

扇子、友禅、凧、提灯、そして大正琴。

「え、これ全部同じ地域にあるん?」

と思いませんか?

実は名古屋市西区には、大きな企業だけではなく、職人さんの手によって今も受け継がれているものづくりが点在しているんです。

今回はそんな街の中に残る5つのものづくりを見ていきます!
① 名古屋で扇子!?「名古屋扇子」
最初は名古屋扇子。

名古屋扇子は18世紀中頃、京都から現在の西区幅下付近へ移り住んだ職人によって始まったとされています。

京都の扇子が高級な婦人物などを中心に発展したのに対して、名古屋では白扇や男物など、実用品を中心に発展したのが特徴です。

その伝統を現在まで受け継いでいるのが、西区にある末廣堂。

1912年創業で、竹を加工する「扇骨」から紙、折り、仕上げまで、それぞれの工程を熟練した職人が手作業で担っています。

しかも今回、末廣堂の方に直接お話を伺うと、夏に使う扇子の需要が一時減った一方、贈答品や祝儀、イベント・催事など、新しい使われ方が広がっていることも分かりました。

昔と全く同じものをつくり続けるだけではなく、

伝統の技を残しながら、時代に合わせて使われ方も変えていく。

ここも名古屋扇子の面白いところです。
② 色を重ねてつくる「名古屋友禅」
続いては名古屋友禅。

友禅というと京都のイメージが強いかもしれませんが、名古屋にも独自の友禅があります。

始まりは江戸時代。尾張藩主・徳川宗春の時代に京都や江戸から友禅師が訪れ、その技法が名古屋へ伝わったとされています。

その後、質素倹約の影響から色数を抑えた表現が発達し、落ち着いた「渋さ」が名古屋友禅の特徴になりました。

西区の友禅工房 堀部では、着物だけではなく、バッグやネクタイなどにも友禅の技を生かしています。

さらに、植物そのものの形を染め写す独自の「樹光染」という技法も。

「伝統工芸=昔ながらの着物だけ」と思っていた人ほど、イメージが変わるかもしれません。
③ 名古屋城では大凧禁止!?「和凧」
続いては和凧。

名古屋には江戸時代中頃に凧が広まったと考えられています。

そしてちょっと面白い話が。

1712年、柿木金助が大凧に乗って名古屋城の金鯱の鱗を盗んだという有名な伝承から、名古屋城下では大凧揚げが禁止されたとされています。

「凧に乗って名古屋城へ!?」

かなり強烈な話ですよね?笑

西区には現在も凧茂本店など、和凧をつくる事業者があります。

和紙を染め、竹を貼り、糸を取り付ける。

子どもの遊び道具という印象の強い凧も、実は一つひとつ職人技からできています。
④ 街を照らし、祭りを彩る「名古屋提灯」
名古屋市西区の八坂神社の提灯祭り
写真:いんだそ/Wikimedia Commons/CC BY-SA 4.0
お祭りなどでよく目にする提灯も、名古屋のものづくりの一つです。

名古屋提灯は明治時代には海外にも輸出されるなど発展し、現在も盆提灯や祭礼用、装飾用など、さまざまな提灯が作られています。

西区には雅創作工房など、今も提灯づくりを続ける工房があります。

木型に竹ひごを巻き、和紙を貼り、乾燥させて仕上げる。

普段は完成した姿しか見ることがありませんが、一つの提灯にも職人さんの細かな手仕事が詰まっています。

そして西区には、そんな「提灯」が一気に主役になる場所があります。

それが、八坂神社の「提灯祭り」です。

八坂神社は1702年に現在の場所へ遷宮した神社で、長寿延命と豊作を祈る提灯祭りで知られています。祭りの日には境内に多くの提灯が灯されます。

中でも目を引くのが、

高さ約20メートルの「山竿提灯」

長い竿に、提灯を5段にわたって吊るしたもので、夜になると何段もの明かりが空へ伸びていくような光景になります。

「提灯=お店の前に一つぶら下がっているもの」

というイメージとは、だいぶ違いますよね?笑

しかも、この八坂神社は美濃路沿いにあります。名古屋市の歴史的風致に関する資料でも、西区の八坂神社では天王祭が盛んに行われてきたことが紹介されています。

工房で職人さんが一つひとつ作る提灯が、地域へ出ると、今度は祭りの明かりとなって人々を集める。

そう考えると名古屋提灯は、単なる「昔ながらの商品」ではなく、

ものづくりの技と、地域の暮らしや祭りをつないできた存在

ともいえるんじゃないでしょうか。
⑤ 楽器まで名古屋生まれ!?「大正琴」
そして最後は……

大正琴!

「大正琴って名古屋生まれなん?」

そうなんです。

大正琴は1912年、名古屋で誕生した楽器。

発明した森田吾郎は、二弦琴などの和楽器に、なんとタイプライターの仕組みを組み合わせ、誰でも比較的演奏しやすい新しい楽器を考案しました。

つまり、

和楽器+タイプライター=大正琴

発想がすごすぎますね、、、

そして西区には、大正琴専門メーカーのナルダン楽器があります。

1948年の創業以来、大正琴を製造していて、現在も木材の加工から組み立て、最後の音の調整まで、職人さんが一台ずつ仕上げています。

しかも、つくって終わりではありません。

修理やメンテナンス、大正琴教室なども行い、楽器そのものだけでなく、「大正琴を弾く文化」まで次の世代につないでいるんです。
ぜーんぶ、西区のものづくり。
扇子

友禅

和凧

提灯

大正琴


こうやって並べてみると、

「統一感なさすぎん!?」

と思うかもしれません笑

でも、そこが西区のものづくり文化の面白いところ。

巨大な機械で自動車をつくる場所もあれば、

筆一本で布を染める人もいる。

竹と紙から扇子や凧をつくる人もいる。

木から楽器をつくり、音を生み出す人もいる。

つくられているものは全く違っても、

材料と向き合い、技を磨き、時代に合わせながら次の世代へつないでいく。

そこには共通する「ものづくり」があります。

トヨタやノリタケだけを見ていたら気づかなかった、もう一つの名古屋のものづくり。

街の中にある小さな工房まで見てみると、「ものづくり文化の道」がさらに面白く見えてくるかもしれません。

名古屋市西区のものづくり文化、もうちょっと知ってかん?

それでは、また次回!